葬送文化研究の第一人者として豊かな老齢社会を目指す
聖徳大学教授 / NPO法人「あかね」理事長 長江曜子

NPO法人「あかね」理事長 長江曜子

お墓について世界でも類のない研究者

世界45カ国でお墓の調査を行い、墓地や葬送文化に関する研究では第一人者と言える長江曜子さん。
「日本の、死者に対する供養はとても丁寧で、先祖を尊ぶ気持ちは海外に誇れるものでした」と語る長江さんは、しかしその変化を敏感に感じ取っている。
「日本人の心も時代とともに変わります。しかし、いつの時代でも、安心して明るい老後を送ることができる社会でなければなりません」という言葉には、世界の学会でも独自の研究を重ねてきた知識の重みがある。
長江さんは、常に「人の死」と向き合ってきた。もともとは日本文学が専門で、大学院で修士を取得。その後、お墓の研究に進み、家業である石材店を経営しながら、世界を駆け巡った。「お墓や葬儀は、死者のためだけのものではありません。死者を記憶し、時に対話する。そのことが生を充実させてくれるのです」。

全ての人が充実した老後を送れるように・・・エンディングノートの普及を目指して

これからの超高齢化社会において、誰もが明るい生活を送ることができる「好老社会(こうろうしゃかい)」に向かうことが求められると、長江さんは言う。そして、「高齢者が周囲との関係を見つめなおし、自分らしい老後を送るための方法」として、エンディングノートの意義に着目。
2年前には自らが理事長となってNPO法人「あかね」を立ち上げ、その普及に努めている。「介護や医療、葬儀、相続など、各方面の専門家で構成するメンバーで運営しています」というあかねは、各地でエンディングノートの書き方講座を実施。
「関心の高さには、いつも私自身が驚かされます」とのお話どおり、会場はいつも大盛況だという。
「信頼できる人がまわりにいると思えると、孤独ではなくなります。寂しくつらい老後に恐れるのではなく、イキイキと自分らしい毎日を全ての人に送ってもらいたい。それが今の私の願いなんです」と語るその瞳には、自身の研究で培った高齢者への優しさに溢れています。


長江曜子

1953年生れ。世界でも類のない墓地および葬送文化の研究の道を開き、博士号を取得。45カ国でのフィールドワークを基に研究を重ねるとともに、霊園や納骨堂の設計なども手がけコーディネーターとしても活動。現在、聖徳大学教授、NPO法人「あかね」理事長ほか、数多くの役職を歴任。

エンディングノートとは・・・

自分に万が一のことがあった場合のために書き残しておくノート。遺言/遺書とは異なり法的拘束力も持たないが、それぞれの思いを制約なく書き留めることができ、存命中および死後の家族の負担軽減を目指すものでもある。
エンディングノートに関するお問合せ先

NPO法人あかね

松戸市南花島3-43-12 ヤマザキ家具内 GoogleMap
FAX. 047-366-0789 10時 – 17時
http://npo-akane.net

エンディングノートと長江氏 エンディングノート

コメントを残す