41回目を数える常盤平さくらまつり(以下、桜祭り)。市内で最も大きなこのイベントを、10年にわたり実行委員長として支えているのが、加藤銀治さん。桜祭りにかける思いを聞きました。
地域の連携を生む仕掛けづくり
— 桜祭りについて、加藤さんなりの独自の運営方針を聞かせて下さい。
加藤 常盤平がベッドタウンとして急成長し、同時に桜祭りもどんどん賑やかになりました。それはよかったのですが、委員長に就任した10年ほど前に感じていたことは、新興住宅地であるため、地域の連携という点が弱いのではないかという点です。
— カタチばかりが大きくなっていった、と?
加藤 当時はお祭りの運営に参加しているのは、通りに面した商店主ばかり。一部の人のものにしてしまっては、広い地域での盛り上がりを、将来にまでつなげていけないと思いました。そこでまず、近隣の学校1つずつに足を運び、小さな協力でもいいからと何度もお願いに回り、常盤平中学の野球部とバスケ部から60名ほどのゴミのボランティアを派遣してもらいました。それがきっかけとなり、今では800名の中学生ボランティアが参画してくれています。また、学校の吹奏楽部などを招聘し、パレードなども実現しました。
— そういった子ども達の活躍が、桜祭りに新鮮な空気を送ってくれるんですね。
加藤 子ども達が頑張れば、そのお祭りを支える大人も頑張るんです。そして、地元の大きなイベントで貢献する達成感を得ると、いつまでもみんなが桜祭りを大切にしてくれるのです。
— 街に関わる仕掛けづくりを、桜祭りでしているんですね。
加藤 最近は初期の中学生ボランティアで、子ども連れで桜祭りに来る子も出始めました。このような循環が、いつまでも素晴らしいお祭りとして続けるには大切なのだと思います。
さくらまつりを、みんなの故郷に
— 将来に向けての桜祭りの展望は?
加藤 今後どういう桜祭りにするかは、これからの人が考えることでもあります。ただ、いつまでも子ども達の記憶に残るお祭りにしたい、この思いだけは将来までつなげて欲しい。
— 加藤さんのお考えは、地域の一体感、多世代の連携と言う点で、一貫していますね。
加藤 子ども達にとっては松戸が、常盤平が故郷になるんです。故郷とは、みんなで助け合い、育て合う場でもあります。私はその象徴として桜祭りがみんなに愛され、思い出に残るものにしたい。それが委員長としての私の務めだと考えているんです。
加藤銀治
昭和23年生まれ。市内で最大級のイベント、常盤平さくらまつり実行委員長として10年に渡り活動。五香駅前で展開する飲食店「花車」グループの代表を務めながら、幅広く地域での活動を展開。