松戸市議会議員 みのわ信矢
2017年 新年特別インタビュー

世界も日本も、生活者の不満が新たな政治を生んだ

まつどジャーナル(以下、MJ)まず、2016年はどういう年だったと思いますか。
みのわ 国際政治に目を向けると、前半にはイギリスのEU離脱、後半にはアメリカ大統領選挙でのトランプ氏の勝利が印象的です。これらに共通することは、反グローバリズム。経済的な厳しさを抱えるそれぞれの国民が、とにかく自分たちの生活を守ってくれという願いを政治にぶつけた結果だと言えます。また、各国ではテロも多発し、世界秩序が崩れかけています。

MJ 国内についてはどうでしたか。
みのわ
 7月の参院選での自公の圧勝で、憲法に関する議論や中期的な政権運営に安定さが生まれました。一方で、小池都政の誕生によって、地方議会が新たな局面をむかえたような気もしています。

MJ それはどういう点においてですか。
みのわ
 「都民ファースト」という言葉が象徴するのは、(1) とにかくムダを省け、(2) 実施する政策のメリットを生活者が実感として持てるようにしろ、という2点。有権者に利益が還元される、そのような行政運営がさらに強く求められているということです。そしてこれは、イギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生という現象と似ている部分があります。つまり、世界的イベントのオリンピックであろうと、開催する結果としてしっかりと都民に利益やメリットを示せという、いわば地域性重視の視点が共通項としてあげられます。ムダを放置してきたかのような舛添都政や森善朗元首相への不満が、新たなリーダーを誕生させました。

厳しい財政の中で子育て家庭と高齢者への支援を両立

MJ それでは、松戸市にとっての2016年はどんな年でしたか。
みのわ
 良い面、悪い面ともに、とりわけ大きな出来事はなかったのではないでしょうか。一部の大企業の業績が向上し、景気回復の兆し(きざし)が見られたと言われていますが、市の財政だけをみれば依然として地方の姿は厳しいままだと言わざるをえません。歳入の軸である市税に、増える要因は見つけにくい。地方交付税と市債を頼りに、綱渡りのような行政運営です。

MJ 力を入れた政策は?
みのわ
 議員としてのみのわ個人としても、市としても、①多数の保育所増設や子どもの貧困対策など、徹底した子育て家庭への支援、②高齢者の安心・安全な暮らしの確保、この2つには常に心をくだいて取り組んでいます。次世代を支える人づくりのためにも、子育て支援はとても大切なことです。実際に子育てをしながら、両親の高齢化を見つめる、私自身がそのような議員でもあるので、子育てと高齢者それぞれへの支援策の必要をしみじみと感じながら活動をしています

MJ 2017年は、松戸市にとってどのような年になるのでしょうか。
みのわ
 世界の潮流のような、大きな局面や転換はないと思います。先ほど述べたように、高齢者の生活を支え、お子さんを生み・育てやすい暮らしを大胆にサポートする、この両立を地道に積み重ねるこを太い軸として、政策展開をしていくべきですし、そう取り組んでいきます。

MJ 昨年は、伊勢丹松戸店の営業規模縮小も発表されました。
みのわ
 それも、地方経済の苦しさを表しています。市内のにぎわいをどのように生み、いかにして商工業の活力を高めるか。市民が明るい日常生活を送るうえでも、とても大きな課題です。市では、「松戸駅周辺まちづくり基本構想」を策定し、活気ある地域づくりに向けて進みはじめています。貴重な自然財産である江戸川や国の名勝に指定された戸定邸、景観の美しい矢切地区などを有効に活用した観光事業などにも、積極的な検討が加えられています。一方で、多額の予算を必要とする事業を展開するためにも、ムダを許さない徹底した財政の引き締めに、議員として全力でチェックします。


MJ 今年は新しい市立病院もオープンしますね。
みのわ
 迷走した新病院移転問題でしたが、名称も「松戸市立総合医療センター」に決定し、12月に開院予定です。ベストな立地であるとは言い難い千駄堀地区での開業ですが、開院するのであれば、利便性を最大限に高め、市民に信頼される病院として機能させなければなりません。そのための交通網の整備や、周辺環境の向上に対して、引き続き全力で検討を加え、市への要望を重ねていきます。
お陰さまで、みのわ信矢は昨年で、議員在職10年となりました。これまでの経験をもとに、さらに力強く市政に取り組んでいきます。皆さまのご意見もお待ちしています。

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